往診鞄 №15 「ALTA注射とは?」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」246号(H23.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 最近、注射で痔を治す方法として、ALTA注射という方法が少しずつ知られてきています。適応は出血や脱出を伴う内痔核であり、痔に針を直接刺して薬を注入し、痔を固めてしまうという考え方です。昔からある硬化療法の進化版と考えて頂けばよいです。
 痔に直接針を刺すのって痛くないの?と思いがちですが、内痔核というのは直腸の粘膜の一部であり、痛みの神経が無いために、それほどでもないのです。さらに注射前には、肛門周囲に局所麻酔を使いますし、注入する薬自体にも麻酔薬が含まれています。また、薬はいい加減に注入するのではなく、痔を大きく4領域に分け、各々に少量ずつ薬を注入します。時間は注入後の薬液を拡げるためのマッサージを含めて20分間程度であり、そのまま家に帰って頂き、すぐに食事も摂って頂いて結構です。たまに注入後の痛みや出血がほんの一部の方に見られることがありますが、手術に比べれば軽微なものがほとんどです。また、内痔核以外にも、一部の外痔核や直腸脱にもALTA注射がうまくいくことがあります。
 長い間、おしりに悩んでいてもなかなか手術に踏み切れない、ずーっと座薬を使用しているなどの皆様、宜しければ一度御相談くださいね。