いまだ先生の往診鞄 №57

「TOWN LIFE」
くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」330号
(H30.11.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

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 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)という言葉をご存知ですか?これは、腎臓の障害が慢性的に継続している状態の事です。成人の8人に1人がCKDと言われ、一旦悪化すると二度と改善が望めない事から影の寿命の決定因子とも言われています。
 蛋白尿や血尿、画像での腎障害、血液検査での腎機能低下などが3ヶ月以上続いた時に診断され、特に腎機能の血液検査の指標であるeGFRが60を切ると要注意です。生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症等)が原因となる事が多く、そこに肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレス等が加わると進行します。また、源疾患が隠れている場合もあるので、一度専門医を受診することも大切です。原因となる生活習慣病をきっちりと治療する事。特に血圧は一般的なコントロール基準よりも厳しくなります。
 食事療法としてはまず減塩食、ステージが進行すればタンパクやカリウム制限。また、腎機能の低下を遅らせる薬もあります。但し、初期のCKDに症状はなく、一旦進行したら回復しません。言うまでもなく、早期発見・早期治療が原則です。皆様は大丈夫ですか?