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「往診鞄 №37」

くらしのネットワーク情報誌「Town LiFE」290号
(H27.7.1発行)に掲載した記事をご紹介します。

※ご質問や不明な点がありましたら、ファックスやメールをお寄せ下さい。

 通常は1日に1から2回の排便がありますが、2~3日排便がなくても本人がつらくなければ便秘とは言いません。逆に毎日排便があってもすっきりせず、お腹がはるなどの場合は便秘と言えます。
 便秘には大きく『機能性便秘』と『器質性便秘』(腸の病気によるもの)に分かれます。ほとんどは機能性便秘ですが、稀に潜む器質性便秘、特に大腸がんなどを見逃してはなりません。
 機能性便秘はさらに『弛緩性便秘』『痙攣性便秘』『直腸性便秘』に分類されます。痙攣性便秘はいわゆる便秘型過敏性腸症候群であり、精神的なことや自律神経失調が原因であることが多いです。直腸型便秘は特に高齢の方で便を出す力が弱り、直腸に便が溜まってしまう状態です。最後に一番多いのが弛緩性便秘です。
 原因としては、不規則な食事や生活、線維・ビタミン・水分・脂質の摂取不足、下剤の使い過ぎ、仕事や習慣で便意のある時にトイレに行けない等があります。
 対処方法としては、規則正しい生活や排便習慣、適度な線維・ビタミン・水分・脂質の摂取はもちろんのこと、適度な糖質や香辛料なども排便を促します。また、それだけではなく状態にあった下剤や腸管運動促進剤を使うことが大切なことは言うまでもありません。